弱めのメガネは楽なのだろうか?
「弱い」メガネ
近視のメガネであれば度数を弱めるということは、遠くがボヤけるメガネ。
さて1.5の視力が出る目で0.7に合わせたとします。
それは遠くの視力表を見ての話ですね。
(仮に乱視が無いとした場合)でも、ある一定の近い距離からはハッキリと見えるわけです。そこではメガネが弱めてあってもものすごいハッキリ見えるわけです。
つまり、視力を弱めるとはハッキリ見えなくする事ではないわけです。
じゃあ何が変わるのか?
弱めた分だけ近くを見た時のピント合わせが少なくなるのです。
つまり、楽なメガネになる・・・
実は、すべてがそうではありません!
とても視力が良い人がいます。メガネ無しで2.0の視力自慢!
そんな人が全て目が疲れるのでしょうか?
まぁそういう人もいるでしょうけど、結構平気で長時間パソコンできちゃう人も沢山いるのも事実です。
ここで問題になってくるのは「目が二つある」という事。
近くを見るときに何をしなければいけないかといえば、「ピントを合わせる事」と「両目の視線を合わせる事ーつまり寄り目」です。
このピント合わせと寄り目は神経で連動してまして、ピントを合わせると自動的に目が寄るのです。逆に寄り目をするとピントが近くに合うのです。
さて実験!
眼鏡を掛けている方はメガネを掛けて、コンタクトの人はコンタクトをして遠くにピントを合わせましょう。
それで、寄り目をしてみてください!
どうですか?遠くがボヤけませんか?
遠くをハッキリさせたまま寄り目ってかなり難しくありませんか?
そんな風にピントと寄り目は連動しているわけです。
この自動的に起きる機能を「調節性輻輳」というのですが、僕はよく「自動寄り目機能」なんて呼んでます。
これがあるおかげで、近くのものを見たときに物がダブらずに楽チンに見ることができるわけですが、近くを見るときにピント合わせをしない、つまり「弱すぎるメガネ」を掛けるとどうなるか・・・
自動寄り目機能がうまく働かなくなる、つまりピント合わせと寄り目のバランスが悪くなってしまい、そのままでは物が二重に見えてしまうので、自動ではない余計な寄り目を常に強いることになります。
さらに悪い場合、その寄り目がさらなるピント合わせを誘発し、見たい距離にピントが合わない・・・ピントを合わせようとすると今度は物が二重に見えてしまう・・・そんなジレンマに陥ってしまう・・・そんな目の特徴を持っている人のいるのです。
この場合の解決策は実にシンプルで「きっちり遠くが見えるメガネ」つまり、ピント合わせを積極的に使うようにする事で解決する場合があります。
ピント合わせを積極的に使う・・・
なんだかそれだけで目が疲れそうな気がしますが、よく考えてください。
それって視力自慢の「正視」と同じ条件だと思いません?
これは一例ですからね、逆に寄り目機能が働きすぎる目はピント合わせを少なくさせる工夫が問題を解決しますから目の個性を観察しなければ、簡単に「弱めが楽です」なんて言えないのです。
それは、なんでもかんでも「パソコン、スマホはサポートレンズが楽ですよ」では無いということでもあります。
目の個性を観察する。
これはメガネを作る上でとても大切な事ですが、ピント合わせをすると何が起きるのか?を調べるには年齢に関係なく「近くを見るときに起きることの検査」をしなければわかりません。
遠くの視力検査だけでメガネを作っていませんか?
それで「弱目が楽」なんて言えないのです。
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