メガネのフィッティングと改造
こんばんは! プラオプ ハセガワです。
さて、掛けたいと思うフレームがうまく掛からないとか
今使っているメガネがしっくり掛からないとか。
一人ひとり違うお顔に合わせるフィッティングはとても大事な作業で、適切にフィッティングできれば大体のフレームは快適に掛かるようになります。
しかし、場合によってはそれだけではすまない場合も・・・
例えば樹脂製のフレームで固定式の鼻当てが合わないとか、お顔が小さくて腕が長すぎるとか、その逆に腕が短すぎるとか。
今回のケースは愛用しているメガネの掛かり具合がシックリこない・・・というご相談で拝見すると「腕が長すぎる」状態でした。
本来曲げるべき位置に対して1cm以上奥で曲げてある、これじゃあ下がって当たり前です。
じゃあ曲げ位置を前に動かせばいいじゃんと思いますが、曲げなければいけない位置は耳掛けが始まる部分。
これじゃあ曲げられません。
しかも何度も調整をしたのでしょうか、芯が中で折れてしまっていました。
耳掛けを折る位置が前だとその先の部分がかなり余ってメガネケースに入らなかったり、掛けはずしがしずらかったり、なにより格好が悪かったりします。
その場合、長すぎる耳掛け部分(モダンとか先セルと呼ばれる樹脂の部品)を引き抜き、中の芯を切断して短くすることは普通にあるテクニックなのですが、今回のケースはそれだけではなく「耳掛け全体を前に動かす」必要があります。
どうするか?といいますと切断した分だけ、耳掛けの始まる位置削って作り直すのです。
こんな風に
芯の折れは金属を別の金属を溶かしてくっつける「ロー付け」という方法で修理します。
今回のフレーム素材は一般化している「チタン材」しかもバネ性のあるベータチタン材のようです。チタンは直ぐに酸素と結びつき酸化皮膜を作ってしまいます。これが原因で本来ロー付けが出来ないとされてきました。
でも特殊な道具と材料とチョットしたコツで下ごしらえをするとロー付けできちゃうんです。
下ごしらえの後、接続の様子を動画にとってみましたのでどうぞ。
そして出来上がったのがこれ。
ご来店後にフィッティングをするので、耳掛け部分は真っ直ぐになっていますが、従来よりも約15mm腕が短くなっております。
これで長年のしっくり来ない感じが解消するといいですね。
出来ないと言う前に、なんかいい方法はないもんか・・・そんな風にいつも考えてるプラオプでした。
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