目に見えない部分の大切さ
こんばんは! プラオプ ハセガワです。
風がすごい長岡市。
表のオリーブの樹がグワングワン揺れております。大丈夫でしょうか・・・
さて今日はレンズの「歪み(ひずみ)」についてです。
まずはこちらを見てください。
遠近両用レンズは、入荷してくるとこんな感じで印がついてきます。
真ん中の十字を瞳の中心になる位置で丸いレンズをフレームの形に削って入れます。
仕上がったメガネはこのマークを消しておりますが、見えない透かしマークが実は入っていて、それを元にマジックで再現しメガネをお渡しする時にきちんとそれが合っているかを確認します。
プラオプのお客様は、僕が一旦赤い印をつけてからメガネを渡しているのを覚えているかもしれません。
これはメガネの性能を生かす上でとても大事な事なんです。
が
今日はその話じゃなくて、写真をみてどうでしょう?
レンズがピッタリ綺麗に入っているように見えます。これで完成?
じつは・・・・
特殊な機械で見るとレンズに白く光るところがありますね。
これ、レンズが僅かに大きくてフレームで締め付けられている状態なのです。
レンズは加工機で削るのですが、あとほんの少しは機械ではなかなか難しい・・・
なので最後は手で削ります。
そして仕上がったのがこちら。
おおー歪みがなくなりました!
つまりレンズにストレスがかかっていないという事です。
が、ここまで理想的にはいきません。多分これより僅かに削ればレンズを裏側から強く押したら外れてしまう可能性があります。
なので、実際は問題ないレベル、ちょっと白い部分が出るかなぁぐらいで収めています。
素材的に柔らかいフレームの場合、もうちょっとシッカリいれないと外れてしまうのでちょっと歪みが出ます。でも問題はありません。
プラスチックレンズは熱で固めて作っているので、場合によっては歪みはないけど機械を通すと初めから白く見える部分がある場合もあります。特にポリカーボネイト製のレンズ、例えばスポーツサングラスなどで使われている衝撃に強い素材は、機械で見るとものすごく歪んでいるように見えるのですが、これは樹脂の特性なので問題はないわけです。
問題なのはレンズがフリーの状態からフレームに収めた時に極端に歪みが増えているようだと、レンズが変にしなって見えかたにも影響が出る事があるのです。
先日、他で今までと同じ度数で新しく作ったのに新しいメガネがかけられないという相談を受けました。
度数は確かに一緒。レンズの位置も別に悪くない。
そこでレンズの歪みを見てみると・・・
虹が見えました・・・
歪みが強すぎると、白を超えて7色に光り輝く模様がレンズ全体に現れるのですが、まさにその状態。
そこでレンズを手で削って歪みを取り除くと、あら不思議。不快感が消えて掛けられるようになりました。
プラオプ では必ず歪みとりを手で行い仕上げています。その分加工に時間はかかってしまう訳なのです。
なので30分加工はできません。
作ったメガネに不具合が出る。そういう事はあり得る事です。
その問題が度数にあるのか?を疑うには、そのほかの要素が極力無い状態でなければなりません。
なぜなら「実は度数じゃなかった」という可能性が出てしまうからです。
だから目に見えないこういった部分も当然、丁寧に仕上げていなければならないわけです。
今日もレンズが外れるか?外れないか?のギリギリを攻めるハセガワなのでした。
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