カメラのお話③
こんばんは! プラオプ ハセガワです。
カメラのお話3回目は「シャッター速度」による写真の違いについて。
写真の明るさを決める要素は「絞り」と「シャッター速度」(あとISO感度)ですが、同じ明るさの写真になるには絞りとシャッター速度の組み合わせは様々あるわけです。
シャッター速度が遅いとフィルム(あるいは画像センサー)が光に触れる時間は長くなって写真は明るくなり、シャッター速度が早いと逆に写真は暗くなるわけですが、シャッター速度が遅くて写真が明るすぎる時は「絞りを閉じて光の入ってくる量を少なくする」、シャッター速度が早くて写真が暗すぎる時は「絞りを開いて光をたくさん入るようにする」事で、同じような明るさになるように調節できるわけです。
同じ明るさにするために
シャッター速度 | 絞り |
遅くする | 絞る |
早くする | 開く |
じゃあ同じ明るさで何が違うのか?
それは動いている物の映り方が変わるのです。
1回目の記事で撮ったこの写真。
なんだかブレています。
これは「絞りを目一杯絞った」ことによって暗くなる分「シャッター速度がものすごく遅い」=シャッターが空いている時間が長いので、手で持っているカメラのわずかな動きがそのまま写ってしまってブレて見えるわけです。
これがいわゆる「手ブレ」です。
しかし、この「ブレ」を表現に活かす事ができるのです。
カメラには「シャッター速度優先モード」という物がありまして、これはシャッター速度を自分で決めて、明るさが一定になるように「絞りをカメラが自動的に変えてくれる」モード。
つまり、好きなシャッター速度を一定にキープできるという事
まず、何にもしないでカメラ任せで撮るとどうなるか・・・
ナカムラ氏に走ってもらいました。
いかがでしょうか?
なんだかルンルンしているようですが、全く走っているようには見えません。
・・・
写真のデータを見ると、シャッター速度は「1/400秒」となっていました。
今度は「シャッター速度優先モード」で「1/60秒」に固定して撮影してみますと・・・
おおー
狭いプラオプ を時速100kmくらいで走っているように見えます。
手の振り上げている感じも出て、とても躍動感がありますね。
これが「流し撮り」というもので、動いている物に合わせてカメラを一緒に動かす事で被写体は止まっているけど、背景がブレるというわけです。
レーシングカーのスピード感を表現したりとか、逆にものすごく早く動いているものをピタッと止まっているようにしっかり見せたりとか、そんなふうに写真の表現をコントロールする事ができるわけです。
ピタッと止めたTOYOTA TS-050
ちょっとスピードが出てる感じ(下手ですけど・・・)
そして、逆にカメラを固定したままで被写体の動きを表現する・・・
つまり、ブレを利用する表現方法もあります。
シャワーを撮影してみました。
シャッター速度を早めると、水滴の一つ一つがしっかりと写っています。これも非現実的な面白さがありますね。
そしてシャッター速度を遅くすると・・・
春雨みたいになりました。
滝の写真で水がブワーンとなっている綺麗な写真ってあるじゃないですか
すごく素敵・・・
こういう表現もシャッター速度を遅くする事でできるわけです。
そしてこんな写真も・・・
これはシャッター速度を30分とか(もっとかな?)にして開きっぱなしにすると撮れる写真ですが、当然それだけではないテクニックもあるはずです。
しかし、綺麗ですね・・・
逆にシャッター速度を無茶苦茶早くすると・・・
こんな風に肉眼では見る事のできない「一瞬」を見る事ができるというわけです。
不思議・・・
そんなわけで「一瞬を切り取る」か「時間の経過を感じさせるか」
そんな表現をコントロールできるというわけです。
写真って素敵な芸術ですね。
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