レイアウトとは⑤ーアイポイントの決定法ー
こんばんは! プラオプ ハセガワです。
2回目の注射も終わりまして、副反応を心配しておりましたが腕の痛みも引いて元気でございます。
さて眼鏡の性能を最大限発揮させる為におこなう「レイアウト」の作業について。先回は「アイポイント」というものを解説いたしました。
遠近両用ではなくて「単焦点」と言われるいわゆる普通の眼鏡の場合は、前回お話ししたように「傾斜角度」と「頂点間距離」を適切に合わせたら、それに応じてレンズの中心を少し下げて設定します。
ではどれくらい下げたらいいのでしょう?
それを求めるには2つの方法があります。
1.計算によって求める
眼球は、その球の中心を軸にあらゆる方向を向くようになっています。この中心軸を「眼球回旋点」と言います。
視線は(おおよそ)目の先端から眼球回旋点、そして目の後端を貫いております。
この眼球回旋点を中心に描いた円上にレンズを置けば、必ずレンズと視線が直角に交わります。
この円上で狙った傾斜角度がわかればアイポイントが決まります。今回は10°にしましょう。
決まりはしましたが具体的な位置はどうやって求めたらいいかと言えば・・・
三角形の辺の長さを求めれば分かりそうです。角度はわかっているので三角関数を使えば答えが出そう・・・
ですが、肝心の「X」がわかりません。
この「X」は円の大きさです。これはどうやって求めるのでしょうか?
成人の眼球の大きさは24mmで、角膜(黒目の部分)は約1mmこの球よりも出ているというのが標準とされています。(もちろん個人差があります)
ということは眼球回旋点の位置は目の先っちょから13mmのところら辺にありそうなので【(24÷2)+1】これに「頂点間距離」を足せばこの「X」になりそうです。
では頂点間距離を「12mm」としましょう。
すると眼球回旋点までの距離は「25mm」なので・・・
となります。
つまり、真っ直ぐみている時の目の中心から4.4mm下がEP:アイポイントとして設定する位置になるというわけです。
仮に眼球回旋点までの距離が12mmの場合は4.2mm
14mmの時は4.5mmと誤差は出ますが僅かですので、だいたい13mmとして問題なさそうです。
(でも強めの近視や遠視、お子さんの目の場合はこ基準値と異なることを考慮に入れる必要があるのはもちろんです。)
2.眼鏡面を垂直にして求める
実は、こんな難しいことを考えなくてももっと簡単に求める方法があります。
まず、理想的なフィッティングを施します。
眼鏡フレームは約10°下を向き、頂点間距離は12mm付いたとしましょう。
そしてそれを掛けたまま横から見た時に眼鏡が垂直になるまで顎を上げて、そのままジッとしてもらいます。
そして、そのまま真っ直ぐ前を見ていただいて、黒目の真ん中にチョンチョンと印を付ければそれがアイポイントです。
なんだー!難しい計算なんかいらんかったんやー!
これでいじゃんねー!
・・・
とはならないのが難しいところなんです。
レンズと場面によって使い分ける
例えば、ちびっこの眼鏡の場合。
しかも初めてでイヤイヤちゃんだったとしたら。
ジッとしてもらえると思いますか?
まず無理ですね。
でも正確に作らなければいけない事には変わりありません。
だとすると、計算で求めなければならない場面も出てきます。
そして遠近両用はこれほど単純ではありませんので計算が必須になります。
というわけで、次回は「遠近両用のアイポイント」について書こうと思います。
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