色と感覚⑧ー人工光と自然光ー
色と感覚のお話。
前回は3種類の錐体細胞(S,M,L錐体)と光の三原色の関係についてのお話でした。
今回は自然の光と人工的な光の違いについてのお話です。
いまあなたが見ているこのスマホやパソコンの画面は、あらゆる色を表示します。
写真も動画もとてもリアルに映ります。
その仕組みは、光の三原色であるR:赤、G:緑、B:青の点を目に見えないほどの細かさで並べて、3色の明るさを様々に組み合わせることで色々な色を表現しています。
iPadの画面に小さな水滴がつくと、それが拡大レンズとなって画面に並べられた小さなR:赤、G:緑、B:青の点をみる事ができます。
では画面や印刷物などではなく、本物を自分の目で見た「自然の色」はどうでしょう?
太陽の下で見るオレンジ色の花はオレンジ色の(オレンジ色に人が感じる)波長が、紫色なら紫色の波長の光がそこから出て網膜に映ります。
つまり太陽の下では三原色の組み合わせではなく、「その色そのもの波長」で見えている、つまり「三原色」ではなく「無限の階調」で色づいているわけです。
ではなぜパソコンやスマホの画面は三原色でリアルに見えるのでしょうか?
それは三原色の強弱によって各錐体細胞がうける刺激に強弱が生まれるからです。
例えば「黄色」の場合で考えてみましょう。
モニターからは「R:赤」と「G:緑」があるバランスででています。するとL錐体とM錐体には下の図のようなバランスで刺激を受けます。
2つの光から受けた刺激の差が「2」だったとしましょう。
このL錐体とM錐体の刺激の差が、1つの光で「2」になる部分があります。
それがここ
つまり錐体細胞が受ける刺激のバランスが同じであれば、複数の原色を混ぜた色と、元々の色の違いを感じる事ができないのです。
だからテレビやパソコンやスマホはリアル(に見える)映像を映し出す事ができているわけです。
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