色と感覚⑭ー色彩感覚を補う
こんばんは!プラオプ ハセガワです。
「色と感覚」のお話ですが、今日で最終回!
前回は「色覚の多様性」について少し触れてみました。
今日はいわゆる「色覚補正」について考えてみたいと思います。
色覚補正
前回の記事でかいたように、色彩感覚のズレが問題となるのは、大多数の「3色覚」といわれる普通の(と言われている)色覚特性を持っている人と「色」を使った意思疎通にズレが出るからです。
3色覚の人には違う色に見えるものが、同じ色に見える。またはあまり違って見えない。
極端なことを言えば、交通信号の色が「パッ!」と見ただけではわかりにくい・・・というような感じ。
光っている位置が違うとか明るさが違うとか、そういった「色」以外の情報を使って判断はできるかもしれませんが、一瞬の判断などはしにくいかもしれません。
では、そのように分かりにくい色の組み合わせをわかりやすくする事はできるでしょうか?
メガネのレンズには「色覚補正レンズ」というものが存在しますが、その理屈は目に入ってくる波長を調節する事。ある特定の波長の光を遮ったり少なくするわけです。
それはつまり簡単に言えば「特殊な色付きレンズ」ということです。
例えば毎度出てくる下のイラスト
波長が違ってもL錐体が受ける刺激は変わらないので「同じ波長の光」だと感じてしまいます。
なので、目に入る前に両方の強さに差をつけてしまえ!
すると、さっきは同じだったものに差が出ます。波長は変わっていなくてその強さが変わっている・・・という事は明るさが違って見える・・・となるわけです。
(今は簡単に考えるために「L錐体」しか無い状態の図です )
すると「違いがわからなかったものが違って見える」ということになります。
頭の中でどんな映像に写って見えるか?は分かりません。単に明るさが違って見えるのか?違う色で見えるのか?
くどいようですが「光にはそもそも色など付いていない、脳の中で波長の違いを色に変換して感じている」わけで、そこには目玉の中だけで起きていること以外のさまざまな要素が作用して頭に世界を描き出しています。
ですが、大多数の人が「違うもの」と言っているものが「違って見えない」としたら、「違うと感じる」事で上手くコミニュケーションをとる事ができるようになるかもしれません。
しかし、そもそもの目の錐体細胞が変わったわけではありません。なので今度は「今まで違うと感じていた色が同じに見える」という事が起こってしまいます。
今まで使い慣れていた感覚とはズレてしまい、逆に不便な場面が出てきてしまうなんて事にも・・・。
このように「色覚補正レンズ」は、多数派である3色覚と同じ見え方にできる道具ではありません。しかし確かに変化を感じ、色彩が豊かになって感じる効果もあるようです。
ですが、あくまで「色を使ったコミニュケーションを助けるもの」だと思います。
そして、レンズは光を減らす事はできても増やす事はできません。なので「暗くなる」事は避けられません。
ですから必要なときに切り替えられる・・・というのが便利なのではないでしょうか?
ケミストリーカラー・クリップ
色彩感覚の違いは「L錐体」と「M錐体」の違いに起因する場合がほとんどを占めます。
なのでその部分に特化した特別に調整されたカラーレンズと、必要なときにメガネにパチッ!!と取り付けできる仕組みを組み合わせたシステムがあります。
それがプラオプで新たに取り扱いを開始した「ケミストリーカラー」です。
上の写真の右3つが「ケミストリー・カラー」
屋外用が2種類と屋内で使える薄いカラーが1種類です。
透かして見ると、緑っぽいような赤っぽいような不思議な色合いです。
マグネットをレンズに組み込むので(レンズサイズなどの制限がありますが)あらゆるタイプのフレームにも対応します。
こんな感じです。
普段は普通のメガネ。
クリップをパチ!
とできます。
色覚補正レンズとしてより専門的な「ネオ・ダルトン」という物がありますが、そちらは他所様にお任せするとして、こういった選択肢もございます。
お値段は、組み込み工賃とフロントクリップ(メガネは含みません)でプラオプ価格¥44,000(税込)です。
今ご使用のメガネにも取り付けが可能です。
実際にお試しいただけるようにお貸出用のオーバーグラス(メガネの上からガバッと掛けるタイプ)もご用意しましたので、ご興味がございましたらお尋ねください。
長々と色と感覚について書きましたがこれでおしまい。
僕自身も大変勉強になりました。
メガネレンズは「焦点を変える」「光の進行方向を変える」そして「通り抜ける光を選ぶ」事ができます。
「色」や「コーティング」にはまだまだ色々な可能性があると思います。
「色」だけに。
視覚とは光がある事で成り立つものです。であれば目に入る光の波長を調節する=色をうまく利用するというのは、視覚を整えるために大変重要な事でしょう。
おしまい!!
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