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色と感覚(番外編)ー女性独特の色彩感覚ー

こんばんは! プラオプ ハセガワです。

前回で最終回だったシリーズ「色と感覚」

色と感覚⑭ー色彩感覚を補う

今日は番外編です。

女性は男性よりも繊細な色彩感覚を持っている・・・と言われております。

それは感情のようなものの違いなのか?それとも体の違いなのか?それともそれは迷信なのか?

いろいろな要素はあると思いますが、どうやら視細胞のレベルでの違いも一つの理由になっているようなのです。

もちろんそれが全てでは無いでしょうが、今日はそんなお話です。

遺伝を考えてみると・・・

「X染色体」と「Y染色体」というのがあって、この組み合わせが性別を決めます。

男性は「X・Y」を、そして女性は「X・X」の組み合わせです。

そして錐体細胞の情報は「X染色体」に書かれています。

錐体細胞には「L錐体」「M錐体」「S錐体」の3種類があるわけですが、「L錐体」と「M錐体」は遺伝情報が大変よく似ていて、たった3箇所しか違いがないそうです。

そんなわけで「LっぽいM錐体」とか「MっぽいL錐体」なんていう「ハイブリッド錐体」というものが存在し、それが色彩感覚の違いの原因になっている・・・というのは前回の記事で書いた通りです。

色と感覚⑪ーハイブリッド錐体?

そのもし「MっぽいLのハイブリッド錐体」情報が書かれた「X染色体」を持っているとしたら、男性は「MっぽいL錐体」「M錐体」「S錐体」を持つ事になり、通常の(と言われる)3色覚とは違った色彩感覚を持つ事になります。

しかし、X染色体を2つ持つ女性は、片方に「ハイブリッド錐体」情報が書かれていたとしても、もう片方に通常の錐体の情報が書かれていたら、通常の3色覚を持つ事になります。

ハイブリッド錐体の情報はいわゆる劣勢遺伝となり、現れない・・・と思われがちですが、実はそうではないようなのです。

細胞をよく観察すると、優勢と言われるX染色体の情報だけで全身ができているわけではなく、ある場所はこっちのX染色体、別の場所は別のX染色体というようにモザイク状に体の中で表れているんだそうです。

それは眼球の中でも起きていて、網膜の視細胞を直接観察すると網膜上もモザイク状になっているんだそうです。

つまり、ある領域は「MっぽいL錐体」「M錐体」「S錐体」の組み合わせなのに、別の領域は「L錐体」「M錐体」「S錐体」に組み合わせになっている・・・もし、中心窩(目の中心で最も視力の高い部分)の部分がたまたま「MっぽいL錐体」「M錐体」「S錐体」の組み合わせの部分が占めていたとしたら、通常とは違う色彩感覚を持つ事に・・・

そして、うまい具合に中心窩の部分が半分ずつに別れていたら、「L錐体」「MっぽいL錐体」「M錐体」「S錐体」と、なんと4種類の錐体がそこに存在する事になるわけです。

さらには左右でその分布具合が違うでしょうから、左右の目で色が違って見える・・・という事も実際にあるのです。

滅多に無いでしょうが場合によっては「L錐体」「MっぽいL錐体」「LっぽいM錐体」「M錐体」「S錐体」と最大5種類の錐体細胞を持つ可能性もあるみたいで、となると、色を三原色ではなく4原色、5原色で見ているなんて可能性も・・・。

男性の場合は錐体細胞の組み合わせに関わる「X染色体」を一つしか持たないので、3つ以上の錐体細胞を持つ事はありません。

女性よりも男性の方にいわゆる「色弱」「色盲」といわれる方が多いのはそのためです。

そういった細胞レベルの違いを考えてみても、女性が繊細な色彩感覚を持っている・・・というのも「なるほどねー」と頷けてしまいます。

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