視力4.0なんて可能なのか?④
こんばんは!プラオプ ハセガワです。
視力の限界を考えるこのシリーズ。
前回は結局、目の仕組みとして4.0は無理って事を書きました。
やっぱり視力は2.0あたりが限界のようなのですが、じゃあみんな2.0の視力が出るのか?
メガネをいくら強めたところで視力は際限なく上がってゆくわけじゃないよ!というのは一回目の記事でのお話でした。
どんなにメガネをしっかりと合わせても、1.2が限界の人もいれば2.0出る人もいる。
目の仕組みはそう大きく違いはないはずなのに、この違いの原因はなんだろう?
そのひとつが「収差」といわれる目の(光の通路の)歪みです。
「高次収差」
人の目はまるで磨かれたガラスのように綺麗なレンズではありませんで、多少ボコボコと歪んでいます。
その歪みはそのまま目の奥にできる「焦点」の質に影響します。
今までは目の奥で綺麗に光が「焦点」になっている前提でお話してきましたが、それが目の歪みの影響で、どんなにメガネでしっかりと合わせても少しボヤっとした形になっていたらどうなるでしょうか?
2つの点がクッキリとしていれば、離れてみえていたとしても、ボヤっとしてしまうと同じ隙間でも2つの点が重なったように見えてしまいます。
点がぼやけてしまえば、たとえ2μm離れていたとしても2つは繋がってみえてしまう事でしょう。だとすれば点を更に離してあげないと2つが離れているようには見えません。
つまり視力の限界は下がってしまう。1.2が目一杯の視力というようなことになるわけです。
プラオプには焦点の質を調べられる装置があります。それが「ZEISS iProfiler+」
それで調べるとこんなふうな画像データが出てきます。
簡単に説明すると赤いところは光があまり曲がらない部分。青いところは光が曲がりすぎている部分。緑はその中間です。
この差が大きければ大きいほど焦点の質はあまりよろしくありません。
このようなメガネではどうすることもできない細かな歪みを「高次収差」といいまして、これがみなさんそれぞれの「焦点の質」に影響するのです。
焦点の質が高ければきっと(メガネをシッカリ合わせたら)2.0が可能かもしれない。でも質があまり高くなければ1.2が限界かもしれない。
そういった部分が視力の限界に影響しているわけです。
4回にわたって視力の限界を考えてみましたが、理屈では2.0の2倍の視力4.0はどうやら無理そうです。
そこには「目」という臓器の仕組みに限界が関係しています。
しかし、目はあくまでセンサーです。センサーから送られてきた信号を脳が処理して映像が作られるので、経験などいろいろな事がそこには作用します。
だから「アフリカの大草原に暮らす人は視力6.0!!」なんて話もあながち嘘ではないのかもしれません。
おしまい!!
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