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レンズについて語りたい③レンズを透明にする技術

この間書きかけた「レンズの透明感」について!

みなさんが使っているレンズ、多くは緑や紫、青に反射していますよね。

でも、窓ガラスとかは真っ白に反射して、中が見えないなんて事があるのにメガネがそんな風になったこと、あります?

実はメガネレンズには(メガネに限らずスマホのカメラのレンズだってそう!)光の反射を打ち消すコーティングが施されています。

これは光が波であるという性質を利用したもので、そのコーティングの厚みは光の波一回分の1/4の厚みでなければなりません。厚みにして125nm(ナノメートル)

1ナノメートルは1ミリの百万分の1・・・

ちょーうすーい!!

じゃあどうやって反射を消すのか・・・

それは光の干渉というものを利用します。

光は透明なものに入ると、そのまま進んでいく分と反射して戻ってくる分があります。これが透明感を落とすので、反射は少ない方がいいわけです。

そこで、

さっき言った薄ーい膜を張ると、「空気と膜の境目」、そして「膜とレンズの境目」でそれぞれ反射が起きます。
「空気と膜の境目」で起きた反射と、「膜とレンズの境目」で起きた反射をうまいことぶつけ合うとなんと!消えちゃうのです!

分かりにくいので図に描くとこう・・・

これが反射防止コート、ARコート(アンチ・リフレクション・コート)とか言うものです。

光は違う物質に入るとき、その境目で反射を起こします。(屈折率の違う物質)
だからレンズの表面にはレンズの素材と違う物質をコーティングするのですが、光は色によって波長、つまり波の数が違うから、ある色の光は上手く消すことが出来ても、違う色は消せない・・・なんて事が起こるわけです。

だから膜も何層も違う物質を決まった厚みでコーティングして、イロイロな光の反射を消そうとしたものが、今や一般的になっている「多層膜反射防止コート」「マルチコート」というものなんです。

コーティングの素材はなんと、「超薄い金属」です。
酸化チタンとかフッ化マグネシウムとからしいです。

そして僅かにミドリや青に反射するのは、消しきれなかった色の光が見えているからなんです。

すごいですよね・・・。

これが、普通ってのが凄すぎる・・・。

で、この超薄いコーティングがあるおかげでレンズがとっても透明なので、キズがつくとそこの反射が現れて傷が目立つんです。

だから、デリケートなのでレンズは水洗いしてホコリを流してから拭くのが基本なのです。

そして、金属である「反射防止膜」とプラスチックのレンズ素材は熱による膨張率がちがうから、高熱にさらされる(夏の車の中とか)とヒビ割れを起こすというわけです。

とあるドイツのレンズメーカーのコーティングはすごいです・・・

ほんと、すっごい透明です・・・

ちょっと感動しますよ・・・

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