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スマホって目に悪いのか?⑬

こんばんは!プラオプ ハセガワです。

先回は「AC/A比が大きすぎる」つまり、ピントあわせに伴って起きる自動寄り目が大きすぎる特徴を持つ目が、その負担から逃れる為に「視覚システム」にどんな影響を及ぼしてしまうか?についてを書きました。

スマホって目に悪いのか?⑫

「AC/A比」という耳慣れない言葉で引きずったシリーズ。

ちょっと難しかったかもしれませんが、「見る」というのは眼球一個で起こっていることではなくて「両目の協調」が上手く働き、それを頭が処理する事で「体の外の世界を見て感じる事」と考えたら、両目でモノをみるという仕組みそのものを考える事が大事なんだという事を伝えたいのです。

では実際スマホは目に悪いのでしょうか?

スマホは目に悪いのか?

私たちはスマホを楽しんでいるのでしょうか?

いいえ違います。

スマホを通してゲームをしたり動画を楽しんだりSNSを楽しんでいる。

つまりスマホという機械を使って、様々な「情報」を楽しんでいるのです。

問題があるのはその「情報」そのものでもなく、それを楽しむ環境ではないか?

つまり・・・

「身近にあって直ぐに楽しめる」

「手軽に持ち運べていつでも楽しめる」

「夢中になってしまう」

「なんでも楽しめる」

「コレ一個あれば大体の用事がすんでしまう」

他にもいろいろとあるでしょうが「小さい画面を」「長時間」「物凄く近い距離で」見続けてしまう事。それが視覚システムに大きな影響を与えてしまう・・・

それは人間の「モノを見る」仕組みを考えたら、起きて当然なようにも思われます。

何回か出した上の表。

理想的な場合だとしても距離が近くなれば数字が大きく上がっているのがわかります。

これを「負担」と考えたら20cm→40cmにするだけでそれは半分に減ってしまいます。

スマホを使って何かを楽しむ事を今更やめる事は出来ません。そういう時代だから。

でもせめて「目から離す」それだけでも相当負担は小さくなるといえそうです。

「でもそれじゃあ小さくしか見えないからヤダ!!」と思っちゃう。

だったら楽しむコンテンツに合わせて適切な機器を選ぶのはどうでしょう?

例えば「映画」だったらソファーに座って家族や恋人と一緒に少し大きめのテレビで楽しむ。

これなら近くてもおのずと2mは離れるでしょうから調節力は0.5Dで寄り目は3△でいい。

ゲームもそう。もちろんスマホでしか楽しめないモノが主流になってはいるので種類によるでしょうがTVで楽しむとして「近すぎ!!」と注意されても1mの距離。

それでも1Dと6△。20cmスマホの1/5です。

YouTubeを楽しむ。これもTVで今はいけますが、パソコンで楽しむにしてもデスクトップPCで近くてもせいぜい50cm。

すると2Dと12△で済みます。

ネタサイトを読んだりとかもパソコンで見たほうが楽そう。

もちろん負担があることには変わりないから、途中休憩を入れるなどをして目をリフレッシュする事が大切です。

本や雑誌、漫画も小さい画面で頑張るよりも紙のものをペラペラめくる。あるいはタブレットなどのように余裕をもった大きさのデバイスを使うとか。

それだと40cmでも十分に楽しめるから20cmスマホの半分の負担です。

超近距離で見る事もあるにせよ、本気で長時間楽しむぞ!というときはそれに応じた環境で楽しむ方が負担は少ないでしょう。

もちろん生活環境も楽しみ方も人それぞれですし、目の個性だって様々。だからコレが絶対にダメ!!とかこうしたほうが絶対にいいよ!!なんて事は言えません。

でも「スマホ」という機械そのものを「悪」とするお話では「ブルーライトが・・・」とか「電磁波が・・・」という「よくわからないもので、なんでそうなるのか?という部分が誤魔化されているよう」に感じるのです。

「ブルーライトが目に悪い」なんでですか?
真昼の「青」空で健康的に活動したほうがブルーライトめちゃめちゃ浴びてます。

「電磁波が悪影響」なんでですか?
そもそも電磁波ってなんですか?私たちが見ている「光」だって電磁波ですよ?見える為に必要な電磁波だけが無害でそれ以外が有害なんてちょっと都合よすぎやしませんか?

確かにブルーライトは交感神経を刺激して覚醒させる方向に作用しますから、寝なきゃいけない夜にブルーライトを浴びたら自律神経に影響があるでしょうし、眩しさを感じそれが視覚システムに影響を受けている人もいます。が、全く感じていない人もいます。
そもそもスマホのブルーライトはデバイスの設定でいかようにも出来ます。

iPhone、iPad、iPod touch で Night Shift を使う

目に悪いというのは「機械のせい」ではなく、人の視覚システムの限界付近を使い続けてしまう「文化」や「文明」のせいではないか?

楽しい部分だけ目をつぶり、それを得体の知れないもののせいにする。

そうじゃなくて、実際に「視覚システムにどんな事が起きてしまうのか?」を考えたら「コンテンツに応じた快適な楽しみ方をする」

それが「視覚システム」を守る事に繋がるんじゃないかと思うのです。

私たち視覚に携わる者の使命は、視覚システムの特徴にあわせた最適な眼鏡を作る事と共に、その特長によって起きるかもしれない事を一緒に考える事なんだと思います。

そんなわけで長く続いたこの連載もこれでおしまい!
次回はまとめページを作って締めることにします。

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