夜が眩しい③:高次収差2
こんばんは! プラオプ ハセガワです。
大寒波のなか、皆様除雪おつかれさまです。
プラオプ の横の道もボッコンボッコンです。
僕は明日のおやすみは雪下ろしでございます。
さて、先回。「波面収差測定器」で測定してみると焦点が「点」ではなく「高次収差」の影響で歪んでおり個人差があるとういうお話でした。
その続きです。
高次収差の個人差
先回のデータは比較的大きな高次収差のデータでした。が収差が少ない例はというとこちらをご覧ください。
綺麗に緑色。
つまり、網膜に綺麗な焦点を結んでいる事が予想できます。
ついでにこちらも
これは「収差」の種類をそれぞれグラフで表したものですが水色範囲はまぁ正常値、横に書いてある数字が重要でどれも極めて小さい。
収差が多いとこう。
大きくはみ出している所の数字は桁が違っています。
体の一部である眼球だって当然細胞の集まりです。精密に磨かれたようなレンズが備わっていると考える方が不自然です。だから歪んでいて当たり前。でもその歪みの程度はこれだけ個人差が大きいものだという事がわかります。
輪郭がぼやける
ピントが合っている・・・というと、網膜の中心に光が集まっているような図を想像しますが、厳密にはそうではなく物体は極小の点の集まりで、それぞれが光を様々な方向に発射したり反射したりしています。
その極小の点から広がって行く光が、たまたま目に入ると目のレンズがそれを「焦点」という「点」にして網膜に写します。
その焦点の集まりが外の物体と同じ位置関係で並んで網膜に映るので「ものが見える」わけです。
過去のブログでそのへんを詳しく解説しておりますのでまずはこちらを・・・
この点の一つ一つが「ビシッ!」とした「焦点」であれば、網膜に映る映像はもの凄いシャープさで見えることでしょう。
でも、前回の記事のように歪んだ焦点だったとしたら映像のシャープさは落ちてしまいます。
映像のシャープさとは、言ってしまえば「輪郭のハッキリさ」
輪郭がぼやけてしまえばハッキリしません。大きな高次収差があるとメガネやコンタクトレンズをいくらしっかり合わせてもその影響を受けて見え方の限界は低くなってしまいます。
単純に近視があってボンヤリしていたらこんな見え方の夜景
もし収差がなければこんなにクッキリと見えるとします。
でも高次収差の影響で輪郭がぼやけると・・・
こんな感じで強い光の周り、つまり明暗差:コントラストの強いところの輪郭がボヤっとする見え方をするわけです。
昼間と夜の瞳孔の大きさで「高次収差」が変わるのならば、暗ければ暗いほど収差が大きくなってそこにとても明るい光が来たら明暗差がとても大きく、光の部分だけが大きくぼやける・・・そんな見え方につながる事でしょう。
夜の見え方の影響は「高次収差」だけではありません。
それはまた次回のお話。
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