私たちは少しだけ過去に生きている。
こんばんは!プラオプ ハセガワです。
記事を書いている今は20日の木曜日。
臨時休業を頂きまして名古屋にて、いつも書籍での独学になりがちな部分を、アメリカのオプトメトリックドクターから直接ご指導をいただく貴重な機会をいただく事ができました!
さてさて、表題「私たちは少しだけ過去に生きている」とはどういうことか?
別にスピリチュアルな話ではありませんよ。視覚だけでなく私たちは体が受けた刺激が脳に伝わり脳がそれを具体的な形に変換する事で世界を感じています。
「目」を例にとれば、「目に見える光」とは目が感じる事ができる電磁波の一部で、それそのものに「色」はついていませんし「光ってさえもいない」
わたしたちの脳が波長の違いを色のついた光として見せてくれているのです。
光が目に飛び込んで目の奥の視細胞のなかで光化学反応が起こり、その電気信号が神経を伝わって脳に届いて、脳がそれに基づいて画像を作る。
つまり、光が目に飛び込んでからそれが画像になるまでにはある程度の時間が必要なんです。
それは時間にして0.1秒未満の凄く小さなタイムラグ。視覚に限らず、触覚、聴覚、味覚、嗅覚全ての感覚にタイムラグがあるし、うまいこと補正もされているだろうから、みんな同じタイミングで遅れていれば、そのタイムラグを感じる事はできません。
だって私たちは感覚を使って世界を感じているんですから。
・・・うまく伝わっているでしょうか?自信がございませんが・・・
現実、そういう事なんだと思ってください。
なので「自分が見ている世界の有様は、そのタイムラグ分現実よりも遅れて見えている」つまり私たちは「少しだけ過去に生きている」というわけです。
だから、「野球でボールをバットで打つ」という事はボールをよく見て「ここだ!」と思った時にはすでに遅過ぎるんです。(バットを振る動作に時間がかかる事は置いておいて・・・)
だから私たちは無意識に予測しながら生きています。
ラジコンレースはそう言った事が大変わかりやすく表れます。
「百戦錬磨プラオプ号」のホームコース「モロテックサーキット」は一周約100m位なのかな?そこをプラオプ号は大体9秒前後で走ります。
プラオプのお客様でもあり、いつもお世話になっている「とこやさん」のYouTube動画です。2:38秒あたりから現れる白に赤い縦縞の車がプラオプ号。
曲がりくねりながら9秒ですから、結構な速さだと思います。
コースのギリギリを走ろうとしたら、車を曲げなければいけない所に来た!と思ってから操作をしたのでは遅過ぎて、コースからはみ出してしまい「ドッカーン!!」とクラッシュしてしまうわけです。
プロセスを細かく書くと・・・
「車に反射した光が目に届く」→「視細胞の光受容体が光化学反応を起こす」→「電気信号が神経を伝わる」→「大脳視覚野で映像にする」→「それを意味あるものとして解釈する」→「正しい行動を指令する」→「電気信号が神経を伝わる」→「指が動く」
と、ここまでが体の反応
ラジコンだからそこからさらに「ハンドルの動きを信号に変換する」→「電波を飛ばす」→「電波を受ける」→「信号をハンドルの動きに変換する」→「ハンドルが動く」
と、思いつく限りでも物凄いプロセスを経ているわけです。
で、その動きの反応を見てハンドルの修正を加えて・・・という事を何回も何回も繰り返しているというわけですから、慣れないうちは「突っ込み過ぎのオーバーラン」つまり全然速くは走れない。コースに留まることさえ難しくってあっという間に車はボロボロになってしまうわけです。
反応を早めようとしても、体の仕組みとしての限界があります。だけど「思考」というプロセス。ようするに「これはどう動かすんだっけ?」という事を省けば反応を早める事ができます。いわゆる「慣れ」という事なんでしょうか。
さらに出来事が起こる前触れを感じ、これから起こる事を正確に予測できたらもっと早く正確に反応する事ができるでしょう。
プロ野球選手は投手の動きやボールが手から離れるタイミングで球筋を予測するそうですし、ボクサーは肩のわずかな動きでパンチを予測したりするそうです。しかも「思考」を経ずに「反射的に」体が動くように何度も何度も訓練を積むわけです。
ラジコンだったら一つ前のコーナーの出口での車の向きや動きで、次のコーナーでの動きを予測しているって具合です。リズムを掴むってそういう事なんでしょうね。
私たちは少しだけ過去を見ている・・・なんだか不思議な感じですけど私たちは「脳」が見せてくれる映像を現実だと思って生きているというわけです。
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