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弱視と眼鏡

弱視治療用眼鏡は愛のカタチ

「小さいのにメガネを掛けなきゃいけないなんてかわいそう・・・」という言葉。

親御さんの中には、お子さんに申し訳ない気持ちを持つ方もいらっしゃるようです。

でも、これ、全く正反対です。

むしろ目の問題を早く見つけることができた事を喜ぶべきなのです。

視覚は「見る」ことで成長する

弱視とは、メガネやコンタクトレンズなどを使っても視力が上がらないような状態の事。

視力は経験によって成長するもので、ハッキリとした映像を目が感じる事で上がっていくのです。

そして、両目を上手く使って物を立体的に感じたり、奥行きを感じる能力も「見る」ことによって成長していくのです。

だから何らかの原因によって目がハッキリ見る事ができないと「視力」は成長せず、「両眼視」つまり両目を使っておきる感覚も養われないのです。

「視覚」の完成は9歳~12歳と諸説ありますが、幼いときの見え方がとても大切なのです。

では、それを妨げる原因とはなにかといえば「強い遠視」「強い乱視」「とても強い近視」「斜視(両目の視線が揃わない)」などです。

近視は遠くが見えにくいですが、近くがハッキリと見える目です。だから割と弱視にはなりにくいようですが、とても強ければもちろん原因になりえます。

しかし「遠視」はちょっとタチが悪いです。

「遠視」の問題点

遠視は遠くの星を見るにも「ピント合わせ」をし続けなければならない目です。

遠視とは

自分の持つピント合わせの量よりも遠視の方が強い場合、どこにもピントを合わせる事が出来ません。

これでは視力が成長しません。

さらに問題なのは「斜視弱視」

遠視はこの原因にもなります。

ピント合わせを行うと神経で繋がった寄り目が自動的に起きます。これを「調節性輻輳」といいます。

寄り目過剰(輻輳過剰)

遠視が強いと、常にコレが起こり遠くを見ているのに寄り目になってしまいます。
このままでは景色が2重に見えてしまうので、片目のスイッチを切ってしまってそれに対応するようになってしまいます。

そうすると、スイッチを切った方の目の情報を無視する・・・つまり視力が成長しなくなってしまう・・・という事はそちらの目が弱視になってしまう・・・というわけです。

実は、遠視の強さがそこそこであってピントを合わせる事ができたとしても、この自動的に起きてしまう寄り目が「斜視弱視」を引き起こしてしまう原因になってしまうのです。

強い乱視

乱視はどんな距離をみても目に鮮明な映像が映らない状態です。

これでは視力は成長しません。

乱視とは

斜視

何らかの原因で左右の視線を一点に合わせる事が出来ない事を「斜視」といいますが、それでは景色が2つ見えてしまうので片方の目のスイッチを切って適応しようとするのです。

そうすると、使わない方の目の視力は成長せず弱視になってしまいます。

さらには「両眼視機能」つまり両目で感じる立体感や奥行き感を感じる事ができず、見えている世界と体で感じる世界が一致しないので体を動かしたりする事や、黒板の文字を書き写したりなど学習にも影響します。

解決策は?

実にシンプルで「メガネ」場合によっては「コンタクトレンズ」を使い、遠視や乱視などを矯正して両目にハッキリとした映像を見せる事。

そして、それによって起きる両目の使い方も整う事で目が「見る」事が出来るようになれば「視覚」は正常に成長し行くのです。

今は「弱視治療用眼鏡」の処方箋が出ただけであって、まだ「弱視」が固定されたわけではないのです。

「弱視」とはメガネやコンタクトなどを使っても視力が上がらない事。
それでは将来に大きな影響がでてしまいます。

仮にメガネを掛け続けなければならないにしても、弱視にならず「シッカリとした視力」「シッカリとした両眼視」が整っていれば何も問題はありません。

だから、お父さんお母さんに言いたいのは「弱視の原因を早く見つけられた」というふうに思ってほしいのです。

その子の視力と視覚の成長を救う事ができたのです。

それはお子さんへの愛情がその子の未来を広げた事になった、愛情の形です。

だから「かわいそう」ではなく「早く見つかってよかったね」というのが正解だし、心配しているお母さん、お父さんの気持ちだって違うでしょう。

そして、周りの人たちはメガネをかけた姿をいっぱいいっぱい褒めてください

弱視治療用眼鏡は掛け続けなければ意味がありません。だから眼鏡が嫌いになってはならない、むしろ相棒として好きになって欲しいのです。