検査について
「見る」という仕組み全体の考察
「視覚を整える」ためには、十分な時間が必要です。
コンピュータ検眼という呼び方でとてもわずかな時間で視力だけをあわせたメガネでは視覚は整いません。
なぜならば、そこに「調節機能」「両眼視機能」などの「見るという仕組み全体の考察」がないからです。
「アメリカ式21項目」と言われる測定法において、単なる度数合わせは7番目のたった1項目にしか過ぎません。
それは人が物を見る機能全体の個人差を測定しそれに合わせなければ最適なメガネなどつくれるはずがないことを表しています。
よく見えるのだけど、具合が悪い・・・ その原因は視力だけでは判断できない問題が潜んでいるからです。
また、個人個人でことなる実際の生活環境に見え方をより最適に合わせる工夫も必要です。
そして、視覚を整えるためには眼鏡だけでは不十分で、生活環境の見直し、トレーニングの利用などが必要な事も多くあります。
だから「よいメガネを作るためには十分な時間が必要」なのです。
測定室と設備について
6m測定室と「ZEISS CUBE ONE」
正確な測定のためには、距離や空間を自然に感じられる十分な距離と十分な明るさのある空間が必要です。
また、視力標と視線が必ず同じ高さでなければなりません。
そのため当店の測定室は、ドイツ式ポラテスト法に基づく自然な明るさを確保した6mの距離と、ドイツ製の測定台「ZEISS CUBE ONE」を装備した理想的な測定環境を作りました。
測定結果の正確性だけでなく、ある程度時間が必要な測定中の快適性にもつながります。
また、明るさによる見え方の変化にも対応できるように明るさを調節する事もできます。
この空間はどんな高価な機器でも実現できない最も価値のあるプライオリティ・オプティシャンズの核です。
「ZEISS VISUSCREEN」と「OCLUS製 測定枠」
両眼で見た時に起きる問題を考察するために当店では「ポラテスト法」を利用します。
「ポラテスト法」はドイツのH・J・ハーぜ博士がZEISSと共に考案した測定法で、目の仕組みに基づいて測定環境、使用する機器の構造が決められています。
そのため当店では「ポラテスト法」を完全に実施する事ができるZEISS製「VISU SCREEN」を装備しています。
「VISU SCREEN」は測定法の進化と共に新しい視標が装備され、内臓された多種多様な視標はポラテスト法に限らず様々な測定を可能にする最先端の視力標です。
ポラテスト法を正確に行うためには、瞳の中心とレンズの中心が一致しレンズが垂直に視線と交差していなければなりません。
いわゆる「検眼器」と呼ばれる測定中に覗き続ける機械は、不自然な姿勢を取り続けることや、顔の傾きなどでレンズの中心を瞳の中心に合わせ続けることができないなどの理由で推奨されていません。
当店ではポラテスト法用に作られた専用の測定枠(検査用の眼鏡)、ドイツ「OCULUS」製「UB-4」を使用しております。
「UB-4」はポラテスト用のアタッチメントが取り付けられ、細かく調節ができ、測定中に動かずに固定され、かつ軽量な測定枠です。
測定レンズも「OCULUS」製を使用しています。
「ZEISS iProfiler+」
眼球は臓器です。機械ではありません。
そのため、磨かれたレンズのように正確にはできておらず歪みがあるのが普通です。
眼鏡では矯正できない歪みを「高次収差」といい見え方の質に大きく影響し、かつ大きな個人差があります。
それは眩しさであったり、昼と夜の明るさの変化による見え方の差であったりと、眼鏡を考えるにあたり重要なデータになります。
ZEISS「iProfiler+」はそのような「高次収差」を測定し、分析する事ができます。
また、「iProfiler+」で測定された収差のデータを利用して最も収差を小さくする「ZEISS iScription」テクノロジーを当店は提供することができます。
「NIDEK ARK-1a」と「AA-2」
オートレフ・ケラトメーターNIDEK「ARK-1a」はいわゆる「度数」を測定するだけでなく「角膜」のみの屈折力(光を曲げる強さ)を測定できる「オートケラトメーター」の機能を備えています。
これは眼鏡の度数を考えるにあたり大変参考になるデータです。
また「AA-2」という拡張機能を組み合わせることでピント合わせの機能(調節機能)を解析することができます。
「検影法」
正確な測定のためには余計なピント合わせが起きていない状態でなければなりません。
高度な機器を使用しても、余計なピント合わせが入ったままでは「それを含んだ正確な数値」が測定されてしまいます。
つまり、いかに余計なピント合わせが入らないようにするか?が肝になります。
「検影法」は自然に遠くを両眼で見たままで、光の反射を使って他覚的に(お客様の返答に基づかずに)度数を測定することができる方法です。
他にも、近くを見た時のピント合わせ機能の具合やバランスを把握することにも使用します。
さらに「検影法」を加えた3つの他覚的データの比較は、見え方の特徴や問題を予測するうえで大変重要なデータになります。
テストレンズ
例えば「遠近両用」といっても一種類ではありません。用途に応じ「中近両用」「近々両用」や「度数の変化のゆったりしたもの」「スパっと変わるもの」など細かい設計の違いがあります。
また、メーカーによって見え方に違いがあり、合う合わないという事もあったりします。
当店はできるだけ掛けやすく、実際に使用する環境に合わせた眼鏡をお作りするために、取り扱いメーカーそれぞれのテストレンズを細かい設計違いで多数用意しております。
これだけのテストレンズを持っていることが、当店の遠近両用の成功率の高さにもつながっております。
測定項目
お客様の受け答え、反応をもとにお困りの原因を探ります。
「見える」とは視力の高さだけで評価するものではありません。「世界を感じ理解すること」が苦労なくできる事です。
視覚の機能を分析する事でお困りの原因がどこにあり、どのような解決策が向いているかを考察します。
全てを実施するわけではありませんが、以下のような項目が状況に合わせ測定できる事が求められます。
米国式21項目に基づく測定項目
- #1 外観の観察
- #2 角膜曲率測定
- #4 静的検影法
- #5 動的検影法
- 輻輳近点の測定/調節近点の測定
- 滑動性眼球運動/衝動性眼球運動の測定
- #7 自覚的屈折度数測定
- #8 遠見水平眼位
- #9/#10 遠見実性相対輻輳力
- #11 遠見虚性相対輻輳力
- #12 遠見垂直眼位
- #13 近見水平眼位
- #14A/B 調節ラグ
- #15A/B #14における水平眼位
- AC/Aの測定
- #16A/B 近見実性相対輻輳力
- #17A/B 近見虚性相対輻輳力
- #18 近見垂直眼位
- #19 調節力
- #20 実性相対調節
- #21 虚性相対調節
- 立体視力の測定
- 調節効率の測定
- etc・・・
ポラテスト法に基づく項目
- 遠方運動性融像の測定
- 遠方感覚性融像の測定
- 近方運動性融像の測定
- 近方感覚性融像の測定
- 測定結果の基づく固視ズレの分類
その他の項目
- 高次収差の測定
- 眩しさに関する測定
- 色彩感覚の測定
その他多数
測定できるだけでは意味はありません。それを見て何が必要なのか?を判断できなければなりません。
全ては貴方が快適な『視覚』を手に入れて幸せになっていただく事が目標です。